白参(高麗人参の加工法)
高麗人参には紅参や水参と、もう1つ白参という加工法があります。
2つの加工方法と比較すると、あまり聞かない加工法なので詳しくご紹介しましょう。
白参は、収穫した高麗人参の皮をむいて細かい根を取り除いてから、天日もしくは熱風で乾燥させた状態を指しています。紅参は14%以下の水分量まで乾燥していますが、白参は12%以下の水分量とさらに乾燥させて作っています。皮をむいていることから、見た目は淡い黄色です。
高麗人参の皮に含まれる分のジンセノサイドが失われていることや、白参に使用する高麗人参は4年根が多いことから、有効成分は少ないと考えて構いません。中には5年根や6年根の白参もあります。
水分量が最も少ない加工法ではありますが、高温多湿を避けた保存で1年程度、真空パックにしていると3年間程度の保存が可能です。
値段は紅参よりも安価になっていることから、初めて高麗人参を試す方には利用しやすいのがメリットです。漢方薬の材料やお茶素材として使用される機会が多いです。
日本国内の医薬品には、「日本薬局方」という品質規格書があり、病院で処方する薬のほか生薬(漢方薬)に関するルールがあります。この日本薬局方の中では、「高麗人参の細根を除去して軽く湯通ししたもの」としていることから、国内で使用される高麗人参の漢方薬は白参だと考えて良いでしょう。
また参考までに、日本薬局方で医薬品・漢方薬として認める高麗人参は、有効成分のジンセノサイドRg1が0.10%以上、RB1が0.20%以上としているので、それ以下の含有量の場合、高麗人参のサプリメントとして手軽に使用できます。
白参には、直参・半曲参・曲参と乾燥させるときの形によって3つの分類があります。
まっすぐ伸ばして乾燥させた白参は直参と呼ばれ、根の方から胴体までを折りたたむように曲げて乾燥させたものが半曲参、そして全体を丸く曲げて乾燥させたものは曲参と呼んでいます。
また、白参をそのまま購入する方の中には、自家製の高麗人参茶を作り、はちみつや砂糖、ナツメ(デーツ)などを入れて好みの味を楽しむ愛飲者もいます。