高麗人参の水抽出
水抽出は、高麗人参の有効成分を抽出する方法の1つとして利用されています。
高麗人参を水抽出することのメリットとデメリットをご紹介します
高麗人参は、日本でも古くから「煎じ薬」として扱われることが多く、乾燥した高麗人参を煮出して飲むものだと考えられていました。このように長時間の加熱で、水に有効成分を溶かすことを「熱水抽出」と呼びます。
しかし、高麗人参には、加熱することで含有量が減少する成分も含まれています。加熱することにより短時間で抽出できても、抽出成分量が少なくなるのはデメリットだと考えられるようになりました。
また、たんぱく質はアミノ酸などで構成されており、水になじまない疎水性のアミノ酸は、加熱によって分子の内側に閉じ込められることから、加熱する水抽出で十分な成分を引き出すことは難しいでしょう。
加熱せずに水で高麗人参の有効成分を引き出すのが、水抽出の基本となります。
高麗人参を水抽出すると、他の抽出方法では得られないたんぱく質やアミノ酸、そして糖類の抽出が可能になるのがメリットだと言われています。
一方で、水抽出には長い時間がかかるので、この点に関してはデメリットに挙げられています。
日本茶もお湯を使用するのと水を使用するのでは、お茶の成分が出るまでの時間や味が異なるのと同じだと思って構いません。
また、高麗人参には、水参・紅参・白参と3種類あり、状態によって水抽出にかかる時間にも差が出るでしょう。
高齢人参は収穫するまでの時間や手間が多いため、希少価値の高いものと認められています。さらに、抽出に時間がかかれば、より高価なものとなって誰もが使用できるものではなくなるでしょう。
「短時間で安価に有効成分を抽出できても含有量が少ない」、また「有効成分の含有量が多くても手間や時間のかかる抽出方法では高価になる」となれば、高麗人参の利点を生かすのが難しくなります。
このため、高麗人参の有効成分を引き出すための抽出方法が、様々に研究されています。