高麗人参七効説とは
健康維持や促進、不調緩和など、広い範囲の効果が期待される高麗人参ですが、古くから「高麗人参七効説」が伝えられています。
「補氣救脱」「益血復脈」「養心安神」「生津止渇」「補肺定喘」「健脾止瀉」「托毒合蒼」の7つの効果があると言われているのですが、現代風の表現で7ジャンルの効果が期待できると言って良いでしょう。
それぞれにわかりやすく解説していきます。
(1)補氣救脱(ほききゅうだつ)
精神的な面・気力を充実させることによって、病気の予防や緩和に役立つと言う意味です。
高麗人参にはジンセノサイドが含まれており、その中のジーオール系ジンセノサイドRb1の精神安静作用が精神面のバックアップに役立つでしょう。また、トリオール系ジンセノサイドRg1には疲労回復作用や中枢神経興奮作用があることから、気力をサポートするのに適しているでしょう。
(2)益血復脈(えきけつふくみゃく)
血液を浄化することによって、心臓など循環器系の病気にアプローチしたり、女性に目立つ冷え性や貧血などの緩和したりすることに役立つと言う意味です。
心臓機能障害改善作用を持つジーオール系ジンセノサイドRB3や、抗血栓効果のあるトリオール系ジンセノサイドRk1やRg5が、心臓機能や血流をバックアップして循環しやすくすると注目されています。
最近の臨床試験で期待される糖尿病に対するサポニンの効果が含まれています。また、ジンセノサイドの一種であるジーオール系CKには糖尿病抑制効果があると言われています。
(3)養心安神(ようじんあんしん)
心を安らかにする、つまり自律神経を調整することで、ストレスホルモンの過剰分泌によって起こる肩こりや便秘などの緩和をすると言う意味です。
高麗人参のジンセノサイドのジーオール系ジンセノサイドRb1には精神安静作用や中枢神経抑制作用があるため、気持ちを落ち着けると言われます。リラックスすると副交感神経が優位な状態となり、血管拡張から血行促進できるため、肩こりの改善にも役立つでしょう。精神的な問題によって起こる便秘の解消にも期待できます。
(4)生津止渇(せいしんしかつ)
新陳代謝を促進することによって、体の渇きや乾燥肌が緩和できることを意味しています。
ヒトの体の中には60%の体液があります。体重が60kgであれば、そのうち36リットルが体液です。
1日に摂取する水分の60%は飲料水、30%は食べ物、そして10%は体内の代謝によって作られています。体液を留めるために関わっている血管や腎臓、リンパ管の働きを促進することで、体の中の潤いが維持される仕組みがあり、高麗人参のサポニンやジンセノサイドが活性化に役立つと言われています。
(5)補肺定喘(ほはいていぜん)
肺や気管支などの呼吸器の機能向上によって、免疫力を高めると言う意味です。
サポニンにはナチュラルキラー細胞と呼ばれる免疫機能を活発にさせる効果が期待されることから、体の免疫力向上に繋がり、病気の治癒力が強化されると言われます。
(6)健脾止瀉(けんぴししゃ)
胃や腸などの消化器官にアプローチすることで、食べ物の消化や栄養吸収を促進する意味合いです。
サポニンやジンセノサイドが内臓の働きを向上させると胃腸の動きも活性化できるほか、高麗人参に含まれるビタミン類やミネラル類を吸収しやすくなるのも効果的だと考えられています。
不足しがちな栄養素を無駄なく吸収するためにも役立つと期待できます。
(7)托毒合蒼(たくどくがっそう)
解毒(デトックス効果)を高めて、不調を治す力や免疫力をアップすることを意味しています。
ジンセノサイドのうちオレアノール系Roには解毒作用が期待されています。サポニンには血小板の凝縮を抑える効果があるといわれ、流れやすい血液を維持しながら老廃物の排出を促進すると考えられています。
以上の7つの効果が期待できることから、高麗人参は多様な不調の緩和に適していると注目されています。