高麗人参の学名
高麗人参には、多くの効果が期待されています。
疲労回復や滋養強壮、糖尿病の改善、認知機能や記憶力への作用、冷え性の緩和や生活習慣病の予防など、様々な効果があると言われています。
高麗人参への期待感は、その学名にも表れているのでご紹介しましょう。
高麗人参の学名は、Panax ginseng C.A. Meyerです。
Panax ginseng(パナックス ジンセン)はギリシャ語で「万能薬」を意味しており、ジンセンの部分は日本での呼び名の人参に共通する部分です。さらに後半部分の C.A. Meyerは命名者の名前を指しています。カール・アントン・マイヤはロシア人の植物学者で、1842年に高麗人参の学名であるPanax ginsengを名付けています。
原産地である中国や朝鮮半島でも非常に貴重な存在だったことから、王侯貴族の間でしか使用されていませんでした。さらに日本に伝来した際は、中国からの献上物として持ち込まれています。
現代のように医学が十分に進んでいない時代に、国の権力者たちが自らの健康維持に使用した貴重な存在であり、正に「万能薬」として重宝していたことが伝わるでしょう。
有効成分ジンセノサイドに関しても学名の“ジンセン”と、配糖体を意味するGlycoside(グリコシド)を組み合わせています。
配糖体は糖に反応しやすい部分に、糖ではなく別の物質が結合した状態を言います。ジンセノサイドは糖と反応が高い部分は水となじみやすく、糖との反応が鈍い部分は油となじみやすい特殊な性質を持っています。
栄養成分やサプリメントの成分には、水溶性もしくは脂溶性といずれか一方の性質しかないと言われているので、組み合わせによって吸収率を高める工夫が必要だと考えられています。しかし、ジンセノサイドは水にも油にもなじむことから、体に吸収しやすい形態だと考えて構いません。
高麗人参は他の健康食品やサプリメントよりも、多様な効果が期待され、しかも信頼性が高い特徴を持っています。
このように高麗人参の学名を紐解くと、その特性が理解しやすくなります。