高麗人参の加工法による違い
高麗人参には、紅参・白参・水参の3つの加工方法があります。加工方法によって、どのような違いがあるのかを分類しながら確認しましょう。
70%の水分を含む水参は、高麗人参の歴史の中でも加工方法の原型と言われる状態です。使用用途が広いので煎じて飲む必要がなく、有効成分ジンセノサイドが加熱で減少する可能性も極めて低いです。
しかし、問題点として挙げられるのは、長期間の保存ができないことです。水分によってジンセノサイドが減少するうえ、カビや高麗人参の傷みが起こることから、遠方に送るには適していませんでした。
現代では冷蔵・冷凍保存や真空パックなどの技術によって、水参を出荷するのは容易です。料理に使用したい方は水参を選ぶと良いでしょう。
白参と紅参は、高麗人参の歴史でどちらが早く登場した加工方法なのかは不明確ですが、いずれも乾燥することで貴重な高麗人参を無駄にしない工夫が見られます。白参と紅参の違いは、高麗人参の皮の有無と乾燥の方法だけです。高麗人参の皮にもジンセノサイドが含まれており、無駄なく有効成分を摂取したい方からは、皮つきで乾燥させた紅参の方が、その価値を認められています。
乾燥の工程を経ている白参は、紅参よりも安価なことから加工品原料に適しています。漢方薬やお茶に加工すると、長期的な保存にも耐えられるコンディションになるからです。
紅参よりはジンセノサイド含有量が減少しますが、安価に高麗人参の効果を試したいという方にも便利な存在です。
白参は4年根を使用することが多く、紅参は6年根がメインです。高麗人参は3年根と6年根を比較しても有効成分ジンセノサイドの含有量が全く異なります。3年根は6年根の50%程度のジンセノサイドしか含んでいません。高麗人参の生育の中では6年間が限界年数と言われており、そこまで成長しきった高麗人参を加工することが重要です。
また、皮をむかずに加工している紅参は、加工工程の中でもジンセノサイドが多くなると、研究の中でも確認されています。
高麗人参の効果にも期待でき、保存性にも優れているため、「高麗人参は6年根の紅参が良い」と広く知られるようになりました。