高麗人参に含まれるゲルマニウム
ゲルマニウムは、健康に効果があると言われブームになったことがある成分です。高麗人参にも含まれていますので、注意点も合わせてご紹介しましょう。
1970年代に、抗がん作用や血行促進効果、貧血改善効果があるとしてゲルマニウムのブームが起こりました。しかし、その時点では医学的・科学的な裏付けが不十分であったことから、このような効果・効能を明言するのは不適切であり、法律に抵触する場合があると指摘されていました。
また、ゲルマニウムには有機ゲルマニウムと無機ゲルマニウムの2種類があり、人が摂取してよいのは有機ゲルマニウムの方です。無機ゲルマニウムを摂取したことによる健康被害が報告されているので注意が必要でしょう。
では、ゲルマニウムがどのような効果を持っているのかを改めて確認します。
ゲルマニウムの中で、医薬品と認められているプロパゲルマニウムは、B型肝炎の治療薬に使用されています。
身体の免疫機能は、ウイルスなどの異物を感知した時にインターフェロンという物質を作り始めます。このインターフェロンは自身も免疫機能を担っていますが、マクロファージやナチュラルキラー細胞にウイルスの侵入を伝達して、一緒に戦う仕組みになっています。
プロパゲルマニウムは、インターフェロンの生成を促進する効果があるので、免疫力を高めることが確認されています。
科学的な根拠が明確ではないものの、次のような効果も期待されているので、一部を取り上げます。
骨粗しょう症に対しては、幹細胞に作用し骨を作る働きを活性化させることや、赤血球に作用して貧血改善や血行促進効果があるとも言われています。
高麗人参に含まれる成分のゲルマニウムは、有機ゲルマニウムなので、健康被害に関して不安を感じる必要はありません。そして、高麗人参は不老長寿の妙薬とも呼ばれ、健康のために長い間、愛用されてきました。その歴史の中で健康被害の報告がないことでも安心できるでしょう。
植物の中で有機ゲルマニウムの含有量が多いのは、高麗人参だと言われるものの、実際には明確に含有量を示す数字がないのが現状です。
ただし、免疫力を高めたり、骨粗しょう症や血行促進などに対して働きかけたりする効果は、確かに高麗人参が持っている効き目です。有効成分ジンセノサイドとともに高麗人参に含まれている有機ゲルマニウムが効果を発揮していると捉えて良いでしょう。
高麗人参は6年根まで成長すると、ジンセノサイドの含有量が100g中16.2mgまで増え、その効果が評価されています。そのため、有機ゲルマニウムの存在は影が薄いと言われがちです。
しかし、サポニンの中でゲルマニウムの免疫機能と同じく分類できるジンセノサイドRk1やジンセノサイドRh1は抗がん作用や抗がん活性作用があります。また、ゲルマニウムの血行促進への働きかけと同じ分類なら、ジンセノサイドの持つプラスミン活性効果やジンセノサイドRg5の抗血栓効果が挙げられます。
似たような効果のある成分を含んでいても意味がないと思う方もいるでしょうが、それぞれの成分が働きかけを行うことで、望む効果が手に入りやすくなると考えて構いません。
高麗人参には副作用を起こすような毒性が少ない、もしくはリスクがないレベルでゲルマニウムが含有しており、ジンセノサイドの効果をバックアップしていると捉えて良いでしょう。