中国産の高麗人参
高麗人参の原産地として、韓国に次いで有名なのが中国です。4000年の歴史から考えると、中国での高麗人参の存在も大きなものでしたので、ご紹介しましょう。
高麗人参の生産量は、大まかな目安で韓国は2000トンだと言われています。しかし、中国の生産量ははるかに上回る6000トンと言われており、高麗人参では一番の生産国だと考えて良いでしょう。
また、古くから高麗人参の効果に着目していることも含めて考えると、中国は高麗人参の産地として歴史のある場所だと言えます。
歴史の観点から見てみると、中国には本草学という薬草を含めた医薬の学問があります。そして、その当時の医薬品を集めた本が本草書と呼ばれています。集大成とも言われる「本草網目」が1596年に完成するまでに、いくつもの薬が書き加えられた中国医薬の辞書のようなものだと考えて構いません。
高麗人参は、中国で最も古いと言われる「神農本草経」にも掲載されたと伝えられています。「神農本草経」は西暦500年ころに作成されたもので、730種類程度の薬草や薬などをまとめています。医薬に関する辞書のいわば初版本に載るほど、高麗人参は中国で珍重されてきた歴史があるのです。
中国での高麗人参の主な産地は、吉林省、山西省・黒竜江省の東側の地域や、遼寧省です。また、中国と北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)にまたがる国境付近には中国名では長白山、北朝鮮名では白頭山と呼ばれる山があり、このエリアも高麗人参の産地として有名です。
高麗人参が好む、冷涼で乾燥した気候、降雪量が過度に多くないことなどの条件をクリアしていることから、中国の高麗人参の産地は、栽培適地だと言えます。例えば山西省の気候は7月でも平均気温が19~28℃で年間降水量は400~700ミリ程度です。高麗人参は年間雨量が1200ミリ程度で生育状況が良くなるので、人工的に水を与えることで条件が整います。
以上のように、高麗人参が無理なく健やかに成長できる気候が整っていることから、中国も高麗人参の産地として知名度が高くなっています。
高麗人参の栽培に過剰なコストをかけず、効率的に育てられることで、安価に販売することも可能です。さらには、有効成分に優れた高麗人参を手に入れることも期待できるでしょう。